オリエントコーポレーションの事故情報をCICから削除した時効援用成功事例
解決事例18【オリエントコーポレーション(オリコ)】
相談内容
佐賀県にお住まいの方から、CICに登録されているブラックリストを消したいとご相談がありました。
20年くらい前に借りたオリコの借金でした。
ご本人曰く、10年以上は支払いをしておらず、連絡も取っていないということです。
オリエントコーポレーションから請求書は届いておらず、信用情報を確認してオリコの事故情報が残っていることに気がつきました。
以下のページで、オリエントコーポレーションの対処法を紹介しているので参考にしてください。
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解決方法
ご本人さまが取り寄せたCICを確認したところ、契約内容は以下のとおりでした。
クレジット情報
- 契約の内容 ➡ カード等
- 契約年月日 ➡ 平成18年
- 商品名 ➡ キャッシング付
- 残債額 ➡ 25万円
- 返済状況 ➡ 異動
- 異動発生日 ➡ 平成19年
- 終了状況 ➡ 【空欄】
- 保有期限 ➡ 【空欄】
平成18年にオリエントコーポレーションと契約したものの、平成19年から滞納していたことがわかりました。
支払いができなくなった時期は【返済状況】の異動発生日で確認できます。
【保有期限】が空欄であることから、オリコが債権を保有したままであることが確認ができました。
時効の条件
- 最後の支払いから5年以上経過している
- 5年以内に支払いの話をしていない
- 10年以内に裁判を起こされていない
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裁判を起こされて判決などの債務名義を取られていると時効が10年になります。
ただし、債務名義を取得されていてもCICには反映されません。
この点についてご本人さまに確認したところ、これまでにオリコの借金について裁判所から書類が届いたことはないということでした。
債務名義とは
- 確定判決
- 和解調書
- 仮執行宣言付支払督促
- 調停調書
よって、今回は時効の可能性があると判断しました。
そこで、当事務所が内容証明郵便を作成して、オリエントコーポレーションに対して時効の通知を送りました。
その後、あらためてCICを確認したところ、異動発生日はそのままでしたが、【残債額】は「0円」となり、空欄だった【終了状況】は「完了」になり【保有期限】には5年後の日付が登録されました。
これにより、オリコの借金はなくなり、5年後には事故情報も抹消されることになりました。
内容証明作成サービスであれば、借金の支払い義務を消滅させるだけでなく、CICに登録されたブラックリストを修正させることができます。
ご依頼件数8000人以上
ポイント
オリエントコーポレーションはCIC、JICCに加盟しています。
よって、オリコの支払いを滞納するとCICには「異動」、JICCには「延滞」と登録され、これをブラックリストといいます。
一度、信用情報がブラックになると滞納が継続している間は消えることはないので、住宅ローンやクレジットカードの審査が通りづらくなります。
ここがポイント!
借金を滞納すると信用情報がブラックになり、延滞中は事故情報が消えることはない
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ブラックリストを抹消するには借金を全額支払うか、時効の援用によって支払い義務を消滅させる必要があります。
完済する場合に注意しなければいけないのは、CICに記載されている残債額は元本に過ぎないという点です。
実際に支払うとなると滞納している期間に発生した損害金を加えた金額になるので、元本の数倍になるケースも珍しくありません。
これに対して、時効が成立した場合は損害金だけなく、元本についても1円も支払う必要がなくなります。
よって、時効の可能性がある場合は完済するより時効の援用をした方が金銭的には断然メリットがあります。
ここがポイント!
信用情報に記載されている残債額は元本に過ぎない
完済した場合と時効援用をした場合で信用情報に登録されているブラックリストが消えるまでの期間に違いはあるかについてはCICとJICCで異なります。
JICCの場合、完済しても延滞情報が消えるまで5年かかります。
これに対して、時効が成立した場合は1~2か月で削除されます。
なぜなら、JICCでは時効が成立すると時効の起算日に遡って完済したことになり、その時点で登録機関の経過によって事故情報が抹消されるからです。
JICCのブラックリストが消えるまで
- 完済 ➡ 5年
- 時効 ➡ 1~2か月
CICでは完済しても時効が成立してもブラックリストが消えるまで5年かかります。
よって、信用情報の回復という点では完済と時効で違いはありません。
ただし【返済状況】に異動発生日が登録されておらず【空欄】になっている場合は、時効成立後すぐにブラックリストが抹消されます。
CICのブラックリストが消えるまで
- 完済 ➡ 5年
- 時効 ➡ 5年 ※ただし、異動発生日が【空欄】の場合はすぐ消える
時効援用をおこなう場合はオリエントコーポレーションに電話をかけないようにしてください。
なぜなら、電話で支払いの話をしてしまうと債務承認となって時効が更新してしまうからです。
時効が更新するとその前に何年滞納していたとしても時効がリセットされてしまい、最低でも5年間は時効の援用ができなくなってしまいます。
よって、時効の援用をおこなう場合はCICの情報を元に内容証明を作成してオリコに時効の通知を送ることになります。
債務承認になる行為
- 残債務を支払う
- 合意書にサインする
- 電話で支払いを認めるような話をする
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完済も時効援用もしていないのに信用情報からブラックリストが消えていることがあります。
それは債権がサービサーなどの信用情報機関に加盟していない会社に譲渡された場合です。
その場合、CICでは債権譲渡から5年、JICCでは1年で譲渡会社のブラックリストが削除されます。
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オリエントコーポレーションの場合、グループ会社のサービサーである日本債権回収に債権譲渡しているケースがあります。
CICの場合、債権譲渡があると空欄だった【終了状況】に「移管終了」、【保有期限】に5年度の日付が登録されて、その日をもってブラックリストが削除されます。
よって、債権譲渡から5年以上経過していれば、借金が残っていてもオリコの事故情報は信用情報から抹消されています。
ただし、借金の支払い義務は依然として残っているので、債権を譲り受けた日本債権回収から請求を受けた場合はすみやかに時効の援用をおこなう必要があります。
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お問い合わせ
当事務所はオリエントコーポレーションの時効援用実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。
いなげ司法書士・行政書士事務所
お電話 043-203-8336(平日9時~18時)