ポケットカードのブラックリストをCICから消すための時効援用成功事例
解決事例23【ポケットカード株式会社】
相談内容
茨城県にお住まいの方から、CICに登録されている事故情報を消したいとご相談がありました。
10年以上前にポケットカードで借りた借金でした。
ご本人曰く、5年以上は支払いも連絡もしておらず、現在は請求書が届いていないということです。
今後、住宅ローンや自動車ローンを利用したり、クレジットカードを作れるようにしたいということで当事務所にご連絡を頂きました。
以下のページで、信用情報に登録されたブラックリストについて解説しているので参考にしてください。
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解決方法
ご本人がCICから取り寄せた信用情報を確認したところ、契約内容は以下のとおりでした。
クレジット情報
- 登録元会社 ➡ ポケットカード株式会社
- 契約の内容 ➡ カード等
- 契約年月日 ➡ 平成21年
- 商品名 ➡ キャッシング付
- 残債額 ➡ 46万円
- 返済状況 ➡ 異動
- 異動発生日 ➡ 平成23年
- 終了状況 ➡ 【空欄】
- 保有期限 ➡ 【空欄】
- 遅延有無 ➡ 元本利息
平成21年にポケットカードと契約したものの、平成23年から滞納していたことがわかりました。
支払いができなくなった時期は【返済状況】の異動発生日で確認できます。
【終了状況】【保有期限】がいずれも空欄であるため、現在もポケットカードと契約中ということになります。
消滅時効が成立するには
- 最後に支払いをしてから5年以上経過している
- 10年以内に裁判を起こされていない
- 5年以内に支払いの話をしていない
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ポケットカードから裁判を起こされて判決などの債務名義を取られていると時効が10年更新されます。
ただし、CICの信用情報を見ても裁判を起こされたかどうかはわかりません。
そこで、これまでに裁判を起こされたかどうかをご本人さまに確認したところ、これまでに裁判所から書類が届いたことはないので、おそらく裁判は起こされていないと思うとのことでした。
よって、今回は時効の可能性があると判断しました。
債務名義とは
- 調停調書
- 仮執行宣言付支払督促
- 和解調書
- 確定判決
そこで、当事務所が内容証明郵便でポケットカードに対して、時効の通知を送りました。
その後、あらためてCICを確認したところ、異動発生日はそのままでしたが、【残債務】は「0円」、【終了状況】に「完了」と記載されました。
CICの運用では時効が成立してもすぐに異動情報が消えることはなく、【保有期限】に5年後の日付が記入され、この日まで異動発生日がそのまま残ります。
ただし、【残債務】と【終了状況】が上記のとおり修正されるので、異動情報は残るものの「延滞後に完済した」という内容になります。
そのため、異動発生日が消えるまで5年かかかりますが、その間であってもローンやクレジットカードの審査が通りやすくなります。
内容証明作成サービスであれば、請求書が届いていなくても信用情報を元に時効の援用をおこなうことが可能です。
ご依頼件数8000人以上
ポイント
ポケットカードの旧社名はマイカルカードで、2001年(平成13年)に現在の社名に変更しています。
また、2012年(平成24年)にファミマクレジットを吸収合併しています。
よって、マイカルカード、ファミマクレジットの時代にカードを作り、そのまま滞納しているとCIC、JICCにポケットカードの社名でブラックリストが登録されています。
ブラックリストは支払いを2~3か月滞納した場合に登録されて、CICでは「異動」、JICCでは「延滞」という文字で表示されます。
一度、ブラックリストが登録されると延滞継続中は消えることはなく、完済してもすぐに消えることはありません。
ただし、完済しなくても時効の援用で支払い義務を消滅させることができれば、ブラックリストを消すことができます。
そこで、時効の援用をした場合と完済した場合でどのような違いがあるのかを解説したいと思います。
ここがポイント!
マイカルカード、ファミマクレジットのブラックリストはポケットカードの社名で表示される
まずはCICの場合です。
CICの運用では完済しても時効援用しても異動発生日が消えるまで5年かかります。
ただし、ブラックリストが抹消されるまでの5年かかっても「延滞後に完済した」ことがわかるので、ローンやカードの審査が通る可能性はあります。
また、CICには例外があり、15年以上前から滞納していて異動発生日が【空欄】になっているような場合は時効援用後すぐにブラックリストが抹消されます。
CICでブラックリストが消えるまで
- 完済 ➡ 5年
- 時効 ➡ 5年 ※ただし、異動発生日が【空欄】の場合はすぐ削除される
次はJICCの場合です。
JICCでは完済と時効で延滞情報が消えるタイミングが異なります。
完済した場合はブラックリストが消えるまで5年かかりますが、2019年9月30日以前の契約だと「延滞解消」の情報は完済から1年で消えます。
これに対して、時効が成立した場合は1~2か月でファイルごと抹消されます。
よって、JICCの場合は時効援用した方が信用情報を早期に回復させることができます。
JICCでブラックリストが消えるまで
- 時効 ➡ 1~2か月
- 完済 ➡ 5年 ※ただし、2019年9月30日以前の契約では「延滞解消」は1年で消える
ポケットカードは回収業務をエムテーケー債権管理回収に委託していたり、債権を譲渡しているケースがあります。
回収を委託しているだけであれば、債権者がポケットカードであることに変わりないので、延滞継続中はCIC、JICCにブラックリストが登録されています。
これに対して、エムテーケー債権管理回収に債権が譲渡されている場合は完済や時効援用の有無にかかわらず、CICでは5年、JICCでは1年で譲渡会社であるポケットカードのブラックリストが抹消されます。
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よって、債権譲渡から5年以上経過していれば、何もしていなくてもCICとJICCに登録されていたポケットカードのブラックリストが消えているということになります。
ただし、信用情報が回復したからといって借金が消滅したわけでないので、債権を譲り受けたエムテーケー債権管理回収から請求を受けた場合は時効の援用が必要です。
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最後の支払いから5年経過していなかったり、10年以内に判決等の債務名義を取られている場合は時効になりません。
その場合は支払い義務があるので、返済できる場合はポケットカードと和解交渉をおこなうことになります。
一般的に司法書士に任意整理のお願いをした方がより良い条件で和解できることが多いです。
司法書士が任意整理をおこなう際は和解後の返済に利息を付けることはないので、返済した分だけ確実に残高が減っていきます。
返済期間は3~5年が一般的ですが、実際にどのくらいの条件で和解できるかについては、それまでの取引内容などによっても変わってくるのでケースバイケースです。
もし、ご自分で交渉するのが不安であれば、お近くの司法書士に任意整理のご依頼を検討されるのがよろしいかと思われます。
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お問い合わせ
当事務所はポケットカードの時効援用実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。
いなげ司法書士・行政書士事務所
お電話 043-203-8336(平日9時~18時)